クラシックピアニスト 安達朋博さんという方を、みなさんご存知でしょうか。

オフィシャルホームページ

http://www.h4.dion.ne.jp/~tomo.pf/index.html

京都府出身の24歳。高校を卒業後、クロアチアでピアノを学び、ヨーロッパのコンクールで数々の賞を受賞されたそうです。現在、クロアチア在住。テレビ東京系 『たけしの誰でもピカソ』に出演した際には、北野武氏に「豊かな感性」と絶賛されたとのこと。http://hp.dion.ne.jp/honpo/user/di6lQq9f2kJaw/sub6.html

エルガー:愛の挨拶 作品12
ぺヤチェヴィッチ:「花の一生」作品19
1.待雪草 2.すみれ 3.すずらん 4.忘れな草 5.バラ 6.赤いカーネーション 7.ゆり 8.菊
ドビュッシー亜麻色の髪の乙女
ドビュッシー:月の光
パラッチ:男爵夫人の踊り(Dance of the Baroness)


とプログラムの前半は、とてもポピュラーな曲をラインナップ。登場した安達さんは、すらりとした長身で、ほぅと心の中で思わず声を上げるくらいのとても素敵な方でした!


クロアチアの女性作曲家のぺヤチェヴィッチ:「花の一生」は、初めて聴いたのですが、とても印象的でした。すみれやすずらん、バラなど、それぞれの花のイメージを曲で表しているのです。確かにすずらんは、可憐な可愛らしい感じで、バラは、とても美しく華やかで、まるでそこにバラが活けてあり、ローズのよい香りが漂ってくるかのようでした。

ドビュッシー:月の光は、静かな夜の窓辺にゆっくりとやわらかな月の光が静かにさしこんできて、夢の中への誘ってくれるかのよう。情感たっぷりに聴かせて下さいました。

ベートーヴェン=リスト編曲:交響曲第5番「運命」作品67

この交響曲第5番は、古今のクラシックの作品の中でも、もっとも有名なあのベートーヴェンの『運命』を、19世紀の作曲家/ピアニストであるフランツ・リストがピアノ独奏用にアレンジしたものです。もともとフル・オーケストラで再現されるこの大掛かりな作品を、たった一人のピアニストがどのように再現するのか、とても興味がありました。

たった一人で演奏しているとは思えない音の重なり、広い和音で素晴らしい迫力です!ぐいぐいと『運命』の世界に、安達朋博さんの世界に引き込まれました。フルオーケストラにまったくひけをとらない、むしろ、私はこれほどまでに素晴らしい『運命』を聴いたのは初めてでした渾身の魂のこもった最高の演奏でした!第4楽章まで総てを弾ききって、立ち上がった彼の顔からしたたりおちる汗を見たとき、思わず涙があふれてきました。とめどなくあふれる涙をおさえられませんでした。


アンコールも3曲も聴かせて下さいました。
♪幻想即興曲(ショパン)
♪悪魔的暗示(プロコフィエフ)
♪はぐれ者のガウチョの踊り(ヒナステラ)

あれだけの長い難曲を弾き終えたあととは思えないくらい、とても魅力的な演奏に、さらに感動しましたリサイタル終了後、CDの販売があり、その場でご本人がサインをして下さいました。感想を少しお話させていただきましたが、とても謙虚で素直な人柄のよい感じの素敵な方でした。

この日のリサイタルを記されたご本人のブログです。

クロアチアー日本 ピアノライフ

http://tomohiro-pf.jugem.jp/?day=20080722

そもそもピアノは西洋の楽器であり、18歳でクロアチアに渡り、西洋の音楽を西洋で学んだ彼のピアノは、まさに西洋のピアノの音なのです。彼がそこで見聞きしたものをこうして目の前に描いてくれているかのようでした。クロアチアって、どんな国なんだろう?と興味をおぼえました。

なにより、こんなに素晴らしい安達朋博さんという新進気鋭のピアニストの方とめぐり会えて、とてもしあわせに思いました。

ダンス・オブ・ザ・バロネス

ダンス・オブ・ザ・バロネス